長く撮り歩くうちに、あの頃夢中になって追いかけた被写体が、今では少しずつ姿を変えていることに気づきます。その変化が、また次の一枚を撮りたくなる。きっとそれが、私たちを前へと動かし続ける力なのでしょう。
2025年9月
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道東では鹿の群れに出会うことは多いが、雄は警戒心が強く、滅多に姿を見せない。ところが近年、野付半島ではその雄を頻繁に目にするようになった。自然界で何らかの異変が起きているのだろうか。
撮影地 北海道 野付半島
夕暮れ時、近くをそぞろ歩けば、晩秋の空気に包まれた木々や葉が夕陽を浴び、燃えるような輝きを放っている。その光景に、思わず足が止まる。とりわけ、花びらを落とした後のコスモスが、夕陽に向かってきらめく姿は、命の最後の瞬きのようで、胸の奥に静かな勇気を灯してくれる。
ふと立ち止まった瞬間、その向こうには、柔らかな光と静かな時がありました。 言葉にできなかった想いを、写真にことづててみました。
大地をしっかりと抱きしめる根の力強さ。霧に包まれ、ひそやかに息づく根開きの光景。やがて雪解けの季節、やわらかな新緑を纏い、春の訪れを静かに告げる―それは、生命の息吹そのものを映す、美しきブナの姿です。
言葉を離れ、そっと心に沁み入る自然のまなざし。そのありのままの姿を、静かにすくいとってみました。
切り立った石段は140段だったか、登ると古刹があった。お供養の花がならぶ。村人の信仰を集めた異国の仏にも様々な飾りが。11月の満月の祭り「タート・ルアン」。町中は大賑いだが、ここはひっそりと、でも華やぎが嬉しい。
撮影地 ラオス
都市の静寂のなか、光は舞い、反射はそっと記憶を紡いでゆく。建築と人とが、互いの気配を響かせ合いながら、詩のような余白をたたえた風景が、そこに息づいている。
私は、観光地ではない静かな温泉を巡る旅が好きだ。久しぶりに訪れた湯治場で、廃ホテルが並ぶ寂しい光景に胸を突かれる。インバウンドの光が届かぬ地は、こうして時に取り残されてゆくのだろうか。
激しい雨にもひるまず、冬の寒さにも屈せず、一斉に空へと咲き誇る花々。地面すれすれから見上げれば、その命の力強さが、いっそう鮮やかに胸に迫る。スイセン、クリスマスローズ、ハナニラ、そしてカルミア 撮影地 世田谷 烏山川緑道
神楽坂で、ふと足が裏路地へと迷い込む。不思議な光に誘われ、階段を降りたその先で、若い女性の脚がふいに視界をかすめる。次の瞬間、妖艶な女が現れた―幻か、夢か。淡い灯りとざわめきの中に溶けていく、不思議なひとときだった。
撮影地 新宿区神楽坂
大都会 行きかう人々 それぞれの人生が交錯する街!人は、ひとりひとりの物語りを紡ぎながら今日も生きている
鋼鉄の怪鳥―まるで遥か昔、恐竜たちが夢見た未来の姿かもしれない。そんな幻想を込めて、このタイトルに。
風景や身近なものを被写体に、逆光が織りなす明と影の世界を静かに楽しんでいます。これからも、鬼さんとの出会いを大切にして。
夏にはハスの花が咲き乱れ、華やかなイメージの不忍池。しかし冬の訪れとともに、ハスは枯れ茶褐色の静寂に包まれる。この日はしんしんと降る雪の中、水鳥たちが寒さにじっと耐える姿が、ひときわ心に響いた。
撮影地 上野不忍池
京都は三方を山に囲まれ、その山並みを結ぶ一周トレイルがある。伏見桃山からスタートし、今回は比叡山から大原へと下るルート。歩き出すと、舞い落ちる小雪が常緑の葉や木肌に薄く化粧を施し、まるで別世界に迷い込んだかのような幻想が広がった。
撮影地 京都府 比叡山付近
人生は幾つもの岐路の連なり。どちらの道を選ぶかは、その人の心次第。ふとした風景の中にも、小さな物語がそっと息づいているかもしれない。
