写真家入江進氏の指導の下、「写談・撮んぼ」のグループ展を2016年に開催しました。
発足当初は自然風景を中心に撮ってきました。しかし、グループ結成から17年目を迎えた現在は、身の回りにある、ありふれた風景が自分の心に飛び込んできたときに、ドキドキしながらシャッターを切った作品や、海外のダイナミックな風景に圧倒されながらも、わしづかみするような大胆な作品など、各自の写真への取り組む思いがさらに強くなっています。今回も展示写真は四枚の組写真のスタイルをとり、各自それぞれのテーマを設定して、観ていただく一人一人の方へメッセージを込めました。中にはこれはなんだろうと説明者泣かせの作品もあって、その分ユニークで面白い作品展となっていると思います。
写真展 出展作品
『音の途切れた心象』 入江進
都会では生活や交通機関から発せられるさまざまな音であふれかえっています。人を含む動物はその音を脳の中で整理して正常を保っていますが、限界を超え「音が途切れた」時に、心は不安定となり心身が崩れはじめます。
『物思い』 堀江美智子
玉敷神社の藤の長い房が甘い香りをあたり一面に漂わせています。私は毎年この時期に藤に逢いに来ています。 いつも変わらず、樹齢400年の威厳をもって咲いています。そこはかとない春の哀愁を表現できればと思いハイキー調にしてみました。
『小鳥たちの春』 三浦祝子
愛らしい小鳥たちの躍動感ある姿を季節感を大事にしながらレンズを通して表現してみました。
写真左から ルリビタキ雄 ヨーロッパコマドリ雄 カササギ ノビタキ雌
『秋模様』 村野寛子
晩秋 近所の小さな池の水面には、周りの木々の小枝から解き放たれ、自由になった色とりどりの葉っぱが、風まかせの流れに乗って、小舟のように漂っています。何気ない、静かな日常の一コマです。
『ふるさと富士讃歌』 佐藤次郎
富士山は人々の心をひきつける独特の魅力があり、カメラマンを虜にする魔力が潜んでおります。この堂々たる富士、不動の勇姿にひかれて今日に至りましたが、まだ道半ばです。今後は『個性豊かで、創造的な富士』を撮るべく、心を新たに挑戦して行きたいと思います。
『大地荒涼』 鈴木道子
グランド・キャニオンの雄大さは、いつ見ても感動します。陽の移ろいに従って刻々と色・表情を変えてゆく岩並。今回はデス・ヴァレー、ブライス・キャニオンも含めて、その美しさを荒涼感とともにまとめてみました。
『小網代の森』 佐藤明子
この森には川の源流から海まで自然がそのまま残っています。多種の動植物が生息しており、中でもアカテカニは、山で暮らしたり、畑にいたり、木登りもするめずらしいカニです。大潮の晩には海へ下りて来て放仔(ほうし)します
『霊峰変化』 今井照明
雲海に浮かぶ夜明けの麗姿、湧き立つ雲が刻々と形を変える。本栖の日没の斜光がピンクの傘をさしかける。富士が世界文化遺産に登録されるや、海外から老若男女が押しよせ富士の人気が高まっていることはうれしく思います。
『物語のはじまり』 小坂時子
心惹かれる景色、美しいと思う景色、心感じるままにシャッターを押します。物語を感じて。
『今も、昔も』 青木文雄
東海道五十三次『品川宿』の面影は今も色濃く残り、船着場は広重の浮世絵の世界を僅かばかりか重ねあわせることができます。新旧の共存と活気ある街並み、そして行きかう地元の人々に主題をおきました。いつまでも「心の街道」でありつづけますように。
『模索』 伊山幸雄
JR原宿駅を降りると散策したい処が沢山あって困ります。代々木公園に入ろうか、明治神宮をお参りしようか、いやいや、ここはやはり、「丹下健三」の「苦心」を偲ぼうと考えました。今度の「2020年東京オリンピック」でも使用する由。
『おしゃれな空間 』 古谷昌之
「横浜山手西洋館」や「天王洲アイル」などの建物を見ると心がワクワクするのはなぜだろう。そして館内の空間をファイダー越しに見ると、肉眼で見るのと違った不思議な風景に見えて来るのです。
『雪どけのドラマ』 佐治愛子
雪が降った後は、雪がすっかり融けてしまうまで忙しく、どんなドラマがあるのか見過ごさないように、目を凝らして観察します。雪どけのしずくは刻々と変化して、色々なドラマを繰り広げ、感動させられます。
『ささやき』 小林文子
レンズを通して花々と対峙していると「このポーズを撮って」と花たちに声を掛けられる様な気がしてマクロの世界に没頭してしまう時があります。そんな時は撮影は成功です。